コルクとは 〜コルクの特徴(特性)〜
コルクとは
コルクは、常緑高木であるコルクガシの樹皮を剥離して加工した、弾力性に富む素材の総評のこと。
コルクの特徴(特性)
コルクには下記のような様々な特徴がある。
- 断熱性
- 難焼性(低燃焼性)
- 吸音声(絶縁材)
- 軽量性
- 弾力性
- 対衝撃性
- 耐水性
- 防菌性
- 防滑性
- 安全性
- 耐腐食性
- 持続性(サスティナブル性)
主に「sell(セル)」と呼ばれる細胞とそこに含まれる気泡(空気)によるものが多い。sellは、1㎤あたり、約4200万個もあるとされている。
様々なコルクの特徴(特性)
断熱性
一般木材に比べ、保温性が高く、床表面温度が下がりにくい。(足裏が触れた時の放熱効果「熱をうばい、ヒヤッとした感覚」を解消してくれる)細胞(気泡)がたくさんあることで、熱を伝えにくくしている。
放熱はもちろん、外部からの湿気の侵入を効果的に防ぎ適温を維持するので、冷暖房の省エネ化にも貢献。データはないが、コルクの熱伝導率、断熱効果は毛布とほぼ同じという説もある。
難焼性(低燃焼性)
コルクの耐熱性と弱い燃焼特性のおかげで、コルクオークは他の木よりも耐火性がある。こつくのゆっくりとした燃焼は、天然の難燃剤であり、火災に対する障壁となる。火を近づけると燃えるが、他の木材や紙のように燃え続けることはない。また燃えても有毒なガスなども発生しない。
吸音声(絶縁材)
各細胞間に含まれている気体がお互いを分離しているため、熱、音、振動に対する絶縁材になる。そのため、音や衝撃をやさしく吸収できる。しかし、足音を消すなどの効果はない。騒音レベルで、一段階軽減する程度。(一段階=10〜20dB程度)
※音は、音の種類によっては、建造物に大きく依存するため。
軽量性
多くの気泡があるため、軽い。その特徴を生かした物(卓球のラケット、バドミントンのシャトル、コルクボード)に、使用されている。
フローティング
体積の50%以上は、空気のようなガスで、1㎤あたりわずか0.16gの重さで、非常に軽く水に浮く。
弾力性
気泡が空気のバネのような働きをし、クッション性をよくしている。
対衝撃性
細胞が多くの気泡を含んでいることから、ガスクッションのような状態なので、衝撃をある程度吸収する。
耐水性
水につけても、あまり水を吸い込まない。吸い込んでも、素早く蒸発させて、元に戻ろうとする声質を持っている。水に強く腐りにく、優れた耐水性。
※コルクに含まれる「スペリン」という化学物質の効果。
防菌性
スベリンという成分が約45%含まれているため期待できる。スベリンは、水分の蒸発を防ぎ、熱を社団し、外敵の侵入を防ぐ、働きを持っている。そのため、ダニが発生しずらく、掃除がしやすい。添加物ではなく、コルク自身に含まれているため、安心して使うことができる。
防滑性
摩擦力が大きいため、滑りにくい。濡れた状態でも、乾いた状態とほとんど変わらない滑りにくさ。
安全性
天然素材のコルクは、有害物資を含んでいない安全な素材。そのため、ワインやウイスキーの栓に多く使用されている。
耐腐食性
コルクは、湿気、酸化および分解に対して耐性がある。
持続性(サスティナブル性)
コルクはコルクガシの樹皮から作られる。素材は、樹を伐採することなく繰り返し採取でき、無駄なく使用できることや、再利用もしやすいため、サスティナブル素材として注目されている。コルクガシの寿命は平均150年と言われており、生きている限り持続的に採取することができる。
余談
細胞を見つけた人
「細胞(sell)」は、17世紀のイギリスで、ロバートフック(Robert Hooke)が顕微鏡でコルクを観察したときに、小部屋に分かれていることを発見し命名。そのとき観察されたものは、厳密には死んだ細胞の細胞壁(コルク樫の樹皮の細胞壁)と言われている。
また、Excelなどでマス目のことを「セル」と呼ばれているが、細胞のようなことからそう呼ばれているそうだ。
CO2吸収量増加
樹皮を採取されたコルクガシは、二酸化炭素を採取前の3〜5倍吸収することがわかっている。
元々3R素材と呼ばれていた
- Reduce
- Reuse
- Recycle
これらの頭文字をとり「3R素材」と呼ばれているが、昨今ではSDGsの観点から「サスティナブル素材」と呼ばれることが多い。
Reduce(リデュース)
製品を作るときに使う資材の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。
Reuse(リユース)
使用済製品やその部分等を繰り返し使用すること。
Recycle(リサイクル)
廃棄物を原材料やエネルギー源として有効利用すること。
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